6-3 1回目と2回目で違うmRNAワクチンを接種しても大丈夫ですか?
2021/02/22
2つの異なるmRNAワクチンを使った場合の効果については、詳しくは分かっていません。米国CDCは、臨床試験のやり方に沿って同じワクチンを接種することを推奨しています1)。
一方、1回目にアストラゼネカ社のベクターワクチンを打った方に2回目にファイザー社ワクチンを接種した場合、2回ともアストラゼネカ社を接種した方に比べて高い免疫効果(抗体価)を得られることを示唆する研究が出てきており2)、1回目にアストラゼネカ社ワクチンを接種した方に対し2回目の接種を mRNAワクチンにより行うことを認める方針が複数の国で示されています3,4)。
ただし、発熱や頭痛などの副反応の頻度はこうした組み合わせ接種で若干増加することが報告されています4)。現状では日本においてはこうした組み合わせ接種は推奨されていませんが、今後アストラゼネカ社ワクチン接種者に対する mRNAワクチンの接種が検討される可能性はあります。なお、3回目の接種に関しては、初回接種時に用いたワクチンの種類にかかわらず、ファイザー社またはモデルナ社のワクチンのいずれかを使用することが可能です5)。
日本では20代以下の男性に関してはモデルナ社ワクチンの接種が、ファイザー社ワクチンと比べて心筋炎の発生率が若干高かったことから、1回目をモデルナ社ワクチンで接種しても、希望すれば2回目はファイザー社ワクチンを接種することができるようになりました6)。
- CDC. Interim Clinical Considerations for Use of mRNA COVID-19 Vaccines Currently Authorized in the United States
- Nat Med. 2021;27:1525-1529.
- National Advisory Committee on Immunization, Canada. Recommendations on the use of COVID-19 vaccines.
- Lancet. 2021; 397: 2043-2046
- 厚生労働省. 新型コロナワクチンQ&A
- 2021年10月15日「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会における審議を受けた対応について」(事務連絡)