4-7 接種後の副反応や安全性はどうやって監視されますか?
2021/02/19
アメリカや欧州連合にはワクチンを受けた後に起こった出来事の詳細を集めるシステムが複数あります。望ましくない出来事がワクチンによっておこったものなのか(因果関係がある副反応なのか)、それともたまたまワクチンの後に起こった出来事なのか、専門家が定期的に評価をしています1,2)。
日本でも、接種後に予期せぬ有害事象・副反応疑いの症状が出た場合、予防接種法により医師等が報告をする義務があります2)。
報告された事象は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)や企業、報告医師の協力のもとで詳細な情報が収集・整理され、専門家の目により因果関係が評価された上でデータベース上に蓄積されます。
稀な副反応について、個々の事例を細かくみてもワクチンとの因果関係の評価は難しいため、このようにデータベースとして事例が蓄積されていくことで類似の事象がワクチン接種後に多く起きていないかを監視し続けています。
科学的にワクチン接種後の稀な副反応を確かめるためには、自然発生率(ワクチンを打っていない人でも同じ事象が起きる確率)との比較が重要になります。日本国内にはこの自然発生率との比較が行えるようなシステムはまだ構築されていませんが、米国ではVSD(Vaccine Safety Datalink)というシステムが構築されており、ここから得られた情報や他国の大規模な観察研究結果は常に世界に向けて発信されています。このように海外からの詳細な検討結果も総合してワクチンが承認された後の安全性について常に情報が更新されています。