6-2 2回接種ではなく、1回接種だけで効果ありますか?

2021/02/23

 効果のある免疫を作るためには、2回の接種が必要です。ファイザー・ビオンテック社ワクチンの1回目接種後(2回目接種直前)のワクチンの発症予防としての効果は約50%でした1)。ファイザー・ビオンテック社ワクチンとアストラゼネカ社ワクチンの変異ウイルスに対しての発症予防効果を調べた研究によると、アルファに対しては約50%、デルタに対してはさらに下がり約30%でした2)。モデルナ社ワクチンに関しても同等と考えられ3,4)、1回のみの接種では予防効果が不十分です。

 特に抗がん剤の治療を受けている方や、臓器移植後で免疫抑制剤などを使用されている方を含め合併症のある方では、1回の接種では十分な抗体ができない方がいることが報告されているので5)免疫機能が低下している方では2回の接種を完了することが重要です。

 一般的に、子どもの接種するワクチンは、2回のもの、3回のものとあります。いずれにしても、個々のワクチンによって、免疫系に、対象となる病原体との戦い方を十分に「覚えさせる」ために、必要な回数が決められています。

 

  1. N Engl J Med. 2020;383:2603-2615
  2. N Engl J Med. 2021;385: 585–594.
  3. N Engl J Med. 2021;385:2241-2251.
  4. Clin Infect Dis. 2021; ciab640
  5. N Engl J Med. 2021; 384:1412-1423

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