5-7 授乳中の女性はmRNAワクチンを接種できますか?
2021/02/19
授乳中の方も、新型コロナワクチンのmRNAワクチンを接種することができます1)。授乳中にmRNAワクチンを受けた方を調べた研究では、ワクチンによって母体で作られた新型コロナウイルスに対する抗体(IgAおよびIgG)が母乳にも含まれていることが確認されています。こうした抗体が、授乳中の子供を感染から守る効果があることが期待されています2-4)。
一方、ワクチンの成分であるmRNAが母乳に含まれることは稀で、赤ちゃんの健康への影響も心配はないとされています。mRNAワクチンを接種して4〜48時間経過した7名のお母さんの母乳を複数回調べた研究では、母乳にmRNAが検出されませんでした5)。別の研究では309検体中5検体(2%)の母乳からのみ、少量のmRNAが検出されました6)。もし母乳の中にmRNAが多少含まれていたとしても殆どが胃酸で分解されますし、また仮に吸収されても赤ちゃんに影響を与える可能性は低いと考えられています2,6)。
- CDC. Vaccination Considerations for People who are Pregnant or Breastfeeding
- Academy of Breastfeeding Medicine. Considerations for COVID-19 vaccination in lactation. ABM Statement.
- JAMA. 2021;325:2013-2.
- American Journal of Obstetrics and Gynecology. 2021;225:303.e1-303.e17.
- JAMA Pediatr. 2021;175:1069-1071.
- Front Immunol. 2022;12:783975