5-1 花粉症や食物アレルギーがあります。mRNAワクチンを接種して大丈夫ですか?
2021/02/24
花粉症や食物アレルギー、喘息やアトピー性皮膚炎などがある方でも接種可能です。ファイザー・ビオンテック社およびモデルナ社のmRNAワクチンの添付文書には、mRNAワクチンの成分によって重度の過敏症を起こしたことがある人は接種しないように注意されています1-3)。
重度の過敏症とはアナフィラキシーや、全身性の皮膚・粘膜症状、喘鳴、呼吸困難、頻脈、血圧低下等、アナフィラキシーを疑わせる複数の症状の既往とされています3)。
また、次のような方に接種する時には、注意が必要と書かれています。
- いままでに他の予防接種で2日以内に熱が出たり、全身に発疹がでるなどのアレルギーを疑う症状があった人
- mRNAワクチンの成分に対して、アレルギーがでる可能性のある人(mRNAワクチンに含まれるPEG(ポリエチレングリコール)という成分に対して、アレルギーの疑いがある人は注意が必要です)
どのような方であっても、ワクチン接種後には稀にアナフィラキシーが起こってしまう可能性があるので、ワクチンを接種した後は少なくとも 15 分間は病院の中で様子をみることが大切です。また、今回接種するワクチン以外のものに対して過去にアナフィラキシーなどの重いアレル ギー症状を引き起こしたことがある人は、接種後 30 分程度様子をみることになっています。
なお、米国CDCは他のワクチンや薬、食べ物、動物、ラテックス等のものに対する重いアレルギー反応(アナフィラキシーなど)を起こしたことのある方も接種してもよいとしています4)。今回接種するワクチンの成分に対する重いアレルギー反応を起こしたことがある方が接種できないという点は同じです1)。
今回のワクチンのアナフィラキシーの原因として一番可能性が高いと考えられているのはポリエチレングリコール(PEG)という物質です。PEGにはたくさんの種類があり、大腸検査の下剤や薬剤、日用品等に幅広く使われています。米国CDCはPEGに対する即時型のアレルギーを起こしたことがある方も接種を控えたほうがよいと言っています。また、mRNAワクチンの1回目の接種直後にアナフィラキシーなどの重いアレルギー反応が出た方は2回目の接種を控えるよう推奨しています。