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新型コロナウイルスワクチンを受けたあとに、新型コロナウイルスにかかるとかえって具合が悪くなるADE(抗体依存性増強現象)という現象が起こるかもしれないとききました。これは本当ですか?

       

更新日:2021.02.18
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ワクチンを接種した後に感染をすると、重症になりやすい現象のことをADE(抗体依存性増強現象)といいます。ウイルスに感染したり、ワクチン接種の後に「中和作用のない余計な抗体」ができてしまうと、ウイルスが人の細胞に入りこむのをむしろ助けてしまい、症状を悪化させることがあります。これはデング熱のワクチンで起こりました1)また、抗体や他のタンパク質、ウイルス等のかたまり(これを免疫複合体と言います)が気管支や肺で強い炎症を引き起こすこともあります(ワクチン関連増強呼吸器疾患 Vaccine-associated enhanced respiratory disease;VAERDといいます)。

ワクチン開発では、このADEやVAERDが起こらないように、高い中和作用がある抗体を作らせ、働くリンパ球のバランスをよくする(Th1細胞というリンパ球がよく働く)ような免疫を誘導するワクチンの開発が大切とされます。ファイザー・ビオンテック社ワクチン、モデルナ社ワクチン、オックスフォード・アストラゼネカ社ワクチンの全てにおいて、「高い中和作用がある抗体」と「バランスの良いリンパ球の働き」が確認されています。また、動物実験でもADEは観察されていません2-3)し、第2/3相の臨床試験では、実際にADEを起こした被験者はいませんでした4-5)こういったことから、新型コロナウイルスのワクチンにおいてADEが懸念されることは現状ではとても考えにくいと言えます。

 

  1. N Engl J Med. 2018;379:327-40
  2. N Engl J Med. 2020;383:1544-1555
  3. bioRxiv. A prefusion SARS-CoV-2 spike RNA vaccine is highly immunogenic and prevents lung infection in non-human primates
  4. N Engl J Med. 2020;383:2603-261
  5. N Engl J Med. 2021;384:403-416