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4-5 mRNAワクチンによるアナフィラキシーについて詳しく教えて下さい。

       

更新日:2021.02.20
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 アナフィラキシーとは、皮膚・粘膜、肺、消化器、血管・心臓など、2つ以上の臓器にアレルギー症状が出ることです。例えば、じんましん、咳、息苦しさ、口や顔の腫れ、喉のイガイガ、吐き気、血圧の低下、などの症状があります。いろいろな薬や食べ物、虫刺され等でも、アレルギーやアナフィラキシーを起こす可能性があります。頻度としては、アメリカでは、ファイザー・ビオンテック社ワクチン100万回投与につき4.7回、モデルナ社ワクチン100万回投与につき2.5回と報告されています1)これはインフルエンザのワクチンでのアナフィラキシーの頻度(100万人に1.4人)よりやや多いと言えますが、他の薬に比べて特別多いというわけではありません。例えば、抗菌薬(抗生剤)では、約5000人に1人(100万人に200人)アナフィラキシーが起きる事があります。

 なお、日本ではmRNAワクチン接種後のアナフィラキシーの頻度が多いのではないかという報道がなされました。しかし、ワクチンの安全性評価に用いられるブライトン分類2)に基づいて評価し直すと半分以上は定義を満たさなかったこと、米国でも医療従事者は非医療従事者よりも頻度が多いとの報告もある3)ことから、日本で特別なことが起きているわけではないと考えられます。実際に、広く接種が進んできて、現在では上記とほとんど変わらない頻度になっています。

 アナフィラキシーが起きた場合は、アドレナリン(エピネフリン)という薬をすぐに筋肉注射するという確立した治療があります。アナフィラキシーは比較的若い人に多く、以前に別のものでアレルギーを起こしたことのある人が約8割でした。食べ物など、今回のワクチン以外のものにアナフィラキシーを起こしたことがある方は注意が必要で、接種後30分は接種会場で様子をみることが大切です4)30分以降でも、全身の蕁麻疹だけではなく、息苦しい、顔が腫れる、などの急速に進行するアナフィラキシーを示唆する症状が出た場合は、救急車を呼びましょう。

 

  1. JAMA. 2021.doi:10.1001/jama.2021.1967
  2. Vaccine. 2007;25:5675-5684.
  3. JAMA. 2021. doi:10.1001/jama.2021.3976
  4. 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する医療機関向け手引き(2.0版)」(令和3年2月24日)