1-3 mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンによりヒトの遺伝子(細胞内の染色体)に変化がおこる可能性はありますか?このワクチンは、「遺伝子組換え技術」なのでしょうか?

2021/02/21

 もともとヒトの細胞の中にはたくさんのmRNAがあり、これが私たちの遺伝情報がしまってある「核」の中には入ってこられないようにする仕組みがあります。なので、ワクチンを使ってmRNAを注射しても、基本的にヒトの遺伝子(染色体・DNA)がある細胞の核の中に入り込むことはできません。また、ヒトの細胞にはワクチンのRNAをDNAに変換(逆転写という)したり、そのDNAをDNAでできた染色体に組み込んだりするための酵素(インテグラーゼという)もないため、ヒトの遺伝子(染色体)に変化を起こすことはありません1)

遺伝子組換え技術とは、ある生物の遺伝子の一部を、他の生物の遺伝子に組み込むことで、新しい性質を与える技術のことです。上記の通り、今回の mRNA ワクチンが遺伝子に組み込まれるということはなく、ワクチンを作用させることについて、遺伝子組換え技術というものではありません。

 

  1. IDSA. mRNA Vaccines

 

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