ワクチンは無症状の感染や感染伝播を防いでくれますか?ワクチンの接種によって他者への感染のしやすさ(伝播性)は低くなりますか?

2021/02/17

臨床試験では、mRNAワクチンが新型コロナウイルス感染症の発症と重症化を防いでくれるということが証明されています。更に、無症候性の感染や、感染伝播も防ぐというデータが出てきています1)

モデルナ社ワクチンの第3相試験では一回目と二回目の接種時にPCR検査を実施しており、二回目の接種時に無症状でPCRが陽性だった人の数がワクチン群の方が少なかった(ワクチン群14人 [0.1%] vs. プラセボ群38人 [0.3%])ことが分かっています2)。無症状の感染も防いでくれることが期待されます。さらにファイザー・ビオンテック社ワクチンに関しては、イスラエルで約60万人のワクチン接種者を調査した研究から、2回目の接種から7日以降では感染を92%防ぐ効果があることが示されています3)。無症状感染に限って言えば、2回目の接種から7日以降では90%の予防効果があると報告されています。ただしこの研究ではワクチン接種者と非接種者の検査頻度に違いがある可能性が指摘されており、有効性を若干過大評価している可能性があることに注意が必要です。さらに米国CDCの研究から、ファイザー・ビオンテック社およびモデルナ社のmRNAワクチンの接種によって、2回目のワクチン接種から14日以降では、無症状感染を含む90%の感染を防ぐ効果が報告されています4)

 

  1. IDSA. Vaccines FAQ
  2. FDA. mRNA-1273 Sponsor Briefing Document Addendum Vaccines and Related Biological Products Advisory Committee Meeting Date: 17 December 2020
  3. N Engl J Med. 2021;February 24. doi: 10.1056/NEJMoa2101765
  4. Interim Estimates of Vaccine Effectiveness of BNT162b2 and mRNA-1273 COVID-19 Vaccines in Preventing SARS-CoV-2 Infection Among Health Care Personnel, First Responders, and Other Essential and Frontline Workers — Eight U.S. Locations, December 2020–March 2021

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