重症化を防ぐ効果について教えてください。
2021/02/18
ファイザー・ビオンテック社ワクチンでは89%(ワクチン vs. プラセボ, 1人 vs. 9人, 有効性88.9% [95% CI, 20.1 – 99.7%])、モデルナ社ワクチンでは100%(ワクチン vs. プラセボ, 0人 vs. 30人, 有効性100% [95% CI推定不能])の重症化予防効果が示されています1,2)。ファイザー・ビオンテック社の第3相臨床試験におけるワクチン群での重症例は、酸素飽和度93%以下であったため、臨床試験における重症の定義は満たしていたものの、入院も必要としなかったことが報告されています3)。
ファイザー・ビオンテック社ワクチンの重症の定義(以下の1つを満たす)
- 安静時の重い全身症状(呼吸数 ≥30回/分, 脈拍 ≥125/分, SpO2 ≤93%、もしくはPaO2/FiO2 <300 mm Hg)
- 呼吸不全
- ショックの証拠
- 重症の腎障害、肝障害、神経障害
- ICUへの入室
- 死亡
モデルナ社ワクチンの重症の定義(以下の1つを満たす)
- 呼吸数30回/分以上
- 脈拍125bpm以上
- 室内気でSpO2 93%以下
- 呼吸不全
- ARDS
- ショックの証拠(収縮期血圧<90mmHg、拡張期血圧<60mmHg、昇圧剤が必要)
- 臨床的に重要な腎障害、肝障害、神経障害
- ICUへの入室
- 死亡
- N Engl J Med. 2020;383:2603-2615
- N Engl J Med. 2021;384:403-416
- FDA. Vaccines and Related Biological Products Advisory Committee Meeting
December 10, 2020