10-4 最初受けたものとは違うワクチンを受けること(交差接種)についてわかっていることを教えてください。

2022/02/03

 2021年12月1日から、日本でも3回目のワクチン接種が行われています。日本では原則として、1回目および2回目に接種したワクチンの種類にかかわらず、3回目接種にはmRNAワクチンが使用されます。ファイザー・ビオンテック社とモデルナ社のmRNAワクチンがともに3回目接種の薬事承認を完了しています1,2)。モデルナ社ワクチンは3回目接種では1、2回目の半量の50μgが使用されます。

 海外では既に交差接種が検討されており、米国では2回のmRNAワクチン接種が終わって最低6か月経過していれば、希望する18才以上の方は、初回および2回目の接種とは異なる種類の新型コロナワクチンの交差接種が可能になりました2,3,4)。交差接種の有効性に関しては、いずれのワクチンを使用しても、3回目接種によって血中の中和抗体価が大幅に上昇し、中和抗体価の上昇量は3回とも同じワクチンを接種するよりもむしろ交差接種の方が大きい傾向が観察されました5)。副反応など安全性の大きな懸念も確認されず、交差接種の安全性には問題はないと考えられています。

  1. 厚生労働省. 追加接種(3回目接種)についてのお知らせ
  2. 厚生労働省. 第27回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会
  3. FDA. Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Takes Additional Actions on the Use of a Booster Dose for COVID-19 Vaccines
  4. CDC. COVID-19 Vaccine Booster Shots 
  5. N Engl J Med. 2022. doi: 10.1056/NEJMoa2116414.

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