1-5 ワクチンの成分が「卵巣に蓄積する」と聞き、不安です。詳しく教えてください。

2021/02/19

 ファイザー・ビオンテック社は、mRNAワクチンが接種後に体内でどのような分布をするか調べるため、ラットを使った実験を実施しています1)。ラットにmRNAワクチンを接種して48時間後まで観察した結果、mRNAワクチン の成分のほとんどは投与部位にとどまっていましたが、一部は肝臓にも分布していました。接種されたワクチンのうち、肝臓へは最大18%が分布していましたが、卵巣に分布したのは全体の0.1%以下でした。他の臓器でもワクチン成分はわずかに移行しており、脾臓(1.0%以下)や副腎(0.11%以下)でも確認されていますが、これらは肝臓と比べると微量です。これらの結果から、mRNAワクチンは卵巣にわずかに分布することはありえますが、長期間に「蓄積する」とは言えません。これまでの臨床試験や実用化後のデータからも、mRNAワクチンが卵巣に蓄積して生殖機能に影響を与えるとは考えられていません。

  1. PMDA SARS-CoV-2 mRNA Vaccine (BNT162, PF-07302048) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

ページトップへ