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8-3 アストラゼネカ社のベクターワクチンの副反応・安全性について教えて下さい。

       

更新日:2021.06.15
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 アストラゼネカ社のウイルスベクターワクチンを接種した際の副反応については、日本国内で行われた臨床試験でも調べられています1)。ほとんどの副反応は接種翌日からあらわれ、持続期間は数日以内であるとされています。接種後6日以内の主な有害事象として、注射部分の痛み、筋肉痛、倦怠感、疲労、頭痛、悪寒、発熱、などが挙げられます。これらの症状はいずれも重篤なものではなく、自然に回復することがわかっています。また、こうした副反応には解熱剤が有効であるとされています2)

バキスゼブリア筋注 添付文書より抜粋

 

 その他には、頻度は稀ですがアナフィラキシーや、以下の副反応の可能性が海外から報告されています4,5)

(1)血小板減少を伴う特殊な血栓症(ワクチン起因性免疫性血栓性血小板減少症、VITT)

 正確な頻度はまだ不明ですが、これまでに接種された人のデータからは、ワクチン接種後に血栓症が重症化する頻度は10万人あたり1人以下とされています3)。この特殊な血栓症は、現在のところほとんどが60歳以下の女性に起こり、ワクチン接種後2週間以内に症状が出るといわれています。

 このような血栓症が生じる原因はまだ明らかではありませんが、以前から知られている「ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)」という病気に似ている仕組みがあると考えられています。ヘパリン起因性血小板減少症とは、ヘパリンという薬を使っている際に稀に起こる病気で、血液の中にある、出血時に血を固まらせる血小板という血球が減ると同時に、血液の中に血栓ができるものです。

 ワクチン接種後28日以内に、激しいまたは持続する頭痛、目の見えにくさ、息切れ、胸痛、けいれん、足の痛みやむくみ、接種部位以外のあざ(皮下出血)、持続する腹痛などの症状が出現した場合は、医師に相談し、医療機関への受診が必要です。

(2)ギランバレー症候群:手足の力が入りにくいなどの運動障害、しびれなどの感覚障害、排尿・排便障害などの症状をきたします。

(3)血管漏出症候群:手足のむくみ、血圧の低下などの症状をきたします。

 接種後に上記の症状や、気になる症状を認めた場合は、かかりつけ医や医療機関に相談することが大切です。これら既知の低頻度の副反応に加えて、ウイルスベクターに特有の潜在的なリスクについても、今後も注意深く調査されます。

 

  1. バキスゼブリア筋注 添付文書
  2. Information for Healthcare Professionals on COVID-19 Vaccine AstraZeneca
  3. N Engl J Med. 2021: DOI: 10.1056/NEJMe2106315
  4. https://www.ema.europa.eu/en/news/meeting-highlights-pharmacovigilance-risk-assessment-committee-prac-7-10-june-2021
  5. 厚生労働省、「アストラゼネカ社の新型コロナワクチンについて