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3-5 ワクチンの効果はどれくらい長く続きますか?3回目の追加接種の可能性についても教えて下さい。

       

更新日:2021.02.19
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 ワクチンを受けた後どのくらいの期間、免疫が保たれるのかはまだはっきりとは分かっていません。モデルナ社ワクチンは、少なくとも6か月は中和抗体が維持されることが分かっています1)。また、ファイザー・ビオンテック社のワクチンでは、接種後6か月時点(2021年3月までのデータ)でも91.2%の発症予防効果および96.7%の重症化予防効果が保たれていたことが、未査読のプレプリントとして報告されています2)。ファイザー・ビオンテック社のワクチンを接種した方を調べた研究では、長期にわたって抗体を作り続ける細胞(長期生存形質細胞)が骨髄にいることが報告され、より長期の免疫を獲得する人がいる可能性が示唆されています3)。また免疫は、中和抗体の量だけでなく、T細胞という免疫の細胞なども関与しているため、抗体が下がったから免疫がなくなってしまった、とも言えないことも考慮に入れる必要があります。

    しかしながら、ワクチン二回目接種直後と比較して、時間経過とともに血中の抗体価が徐々に低下していることもわかってきています。変異ウイルスデルタに対する効果の持続はまだ調べられている段階ですが、新規感染のウイルスがデルタに置き換わってきている米国やカタールにおいて、ワクチンの感染予防効果が低下してきていることが報告されています。4-6)  しかしワクチン接種による発症予防効果が減弱していたとしても、依然として高い重症感染予防効果が確認されており、ワクチン接種はデルタに対して引き続き有効であると考えられています。

 米国 CDC は抗体価が徐々に低下していくこと、ワクチンはデルタ変異ウイルスによる入院や死亡への効果は高く維持されるものの、軽症や中等度の感染に対する予防効果が落ちてきていることから、高い予防効果を維持するために2回目の接種から8か月以降に、3回目の追加投与(ブースター接種といいます)を、2021年9月20日以降に実施する方針としました7)。初期に投与された医療従事者、長期入所施設の入所者や介護スタッフ、高齢者が優先的に接種される予定です。(米国では、2021年8月から中等度から重度の免疫不全の方に3回目の追加接種が開始されています。)
 なお、2021年8月20日現在、日本では3回目のワクチン接種はまだ実施されていません。日本国内でも追加接種が必要となるかどうかは、日本政府および関連省庁で議論されています。

 

  1. N Engl J Med. DOI: 10.1056/NEJMc2103916.
  2. medRxiv. Six Month Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA COVID-19 Vaccine.
  3. Nature. 2021;596:109–113.
  4. MMWR. ePub: 18 August 2021. DOI: http://dx.doi.org/10.15585/mmwr.mm7034e1
  5. medRxiv. BNT162b2 and mRNA-1273 COVID-19 vaccine effectiveness against the Delta (B.1.617.2) variant in Qatar
  6. medRxiv. Comparison of two highly-effective mRNA vaccines for COVID-19 during periods of Alpha and Delta variant prevalence
  7. CDC. Joint Statement from HHS Public Health and Medical Experts on COVID-19 Booster Shots